ダニ類

ダニ類

ダニはあらゆる場所に多数生息している生物で、菌類同様、どんなに入念な予防や駆除を行っても全くダニのいない部屋にはなりません。目に見えないダニへの恐怖からノイローゼ症状に陥る方が時折おられますが、吸血するダニが多数いる場合は別として「少しくらいはダニがいてもかまわない」という大らかな気持ちを持つ事も大切です。
又、皮膚の腫れや痒みはダニの吸血以外にもダニアレルギーや内臓疾患、皮膚過敏症によっても起こります。
この時不用意に室内に殺虫剤を使用すると症状が悪化してしまう危険もあります。ほんとうにダニによる吸血被害かどうか、皮膚科の専門医に相談されてから対策を行うようお勧めします。

日本で見かける代表的なダニ類


イエダニ


刺されると激しい痛みに襲われます。
◎体長 0.6~1.0mm
吸血するダニ。
ネズミや、他のげっ歯類にとりつく外部寄生虫です。ネズミの巣やその周辺に群がっていて、通常はネズミから吸血します。
大量発生した場合や、ネズミ駆除などにより吸血源がいなくなった場合に、人からも吸血し、激しい痒みの原因となります。

ツメダニ


他のダニなどを食べて増え、人を刺します。
◎体長 0.3~0.8mm(種類による)
他のダニなどを食べる捕食性のダニで、共食いすることもあります。
餌となるダニや昆虫が増えた後に、やや遅れて発生します。
吸血はしませんが、人を刺すこともあり、刺されると激しい痒みに襲われます。

ヒョウヒダニ類


アレルギーの元凶ともなります。
◎体長 0.4mm
カーペット、畳、ソファー、寝具などにくっついて、人のフケやアカなどを食べています。
人を刺したり吸血したりはしませんが、死骸や糞を吸引すると、喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の原因となります。

ダニ類の被害

・吸血による被害
 吸血された後、しばらく経ってからしつこい痒みや腫れが生じます
・アレルギーの誘発
 体質により、こまかな虫体を吸い込む事で痒みや腫れが生じます

ダニ類の予防

・湿度を下げる
 湿度60%以上でダニは活発に繁殖します。晴天時には窓を開け風通しを良くし、雨天時にはすぐに窓を閉めエアコンを活用しましょう。洗濯物は室内に干さず、寝具類は定期的に日光消毒を行うと共に家具類の配置も工夫し、物陰まで風がとどくようにしましょう。

ダニ類の駆除対策

1)エサ、死骸の清掃除去
単純ですが一番重要な対策です。水拭きは高湿度を好むダニにとって逆効果ですから、掃除機を使って和室、洋室を問わず床面、寝具、カーテンなどを入念に清掃します。
2)高温処理する
下着や常用の衣類は洗濯前に70度以上の温水に浸し、寝具類は予防対策同様に十分な日光消毒を行います。畳の場合には専門業者に依頼して高温処理します。
3)殺虫剤を使用する
市販の自動噴霧型エアゾールや煙霧剤などを用法、用量に従い室内空間全域に向けて処理します。この時、薬剤がこまかな部分まで行きわたるようにタンスや押入れを開放します。


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